日本での仕事

手術室で英雄が誕生する話

 

こんにちは!

今日は日本で麻酔科医として働いていた時の経験をお話しようと思います。

手術では大小様々な針を縫合の時に使用します。

小児や眼科の手術では、1cmにも満たない小さい針を使うこともしばしばあります。

そして患者さんの体内に置き忘れることがないように、時々看護師さんが針の数をカウントして確認します。

でも時々、針の数が合わなくなることがあるんですね。

そうなると一大事。

ひとつでも針が紛失している以上、患者さんの体内に残っている可能性は否定できないので、その針が見つかるまで手術創を閉じることができない(=手術が終わらない)

手が空いている看護師さんが総動員でその手術室全体を探します(外科の先生は患者さんの体内をチェック)。

まだ麻酔中の患者さんのベッドの下に這いつくばって調べたり、間違えて捨ててないか確認するためにゴミ箱をあさったり。

大きい針であればすぐに見つかることが多いんですが、小さい針だとなかなか見つかりません。

長い手術だったりすると皆の疲れもピークなので、その時の苛立ちや焦燥感は想像して頂けると思います(でも疲れてる時ほどそういうことが起こりやすいんですよね・・・)。

そんな中、ついに誰かが針を見つけた時の皆の高揚感といったら!(だいたい床に落ちてたりすることが多い)

見つけた人は英雄扱いです。

それまでイライラしていた外科の先生もホッとして、途端に機嫌が良くなりますからね(笑)。

針だけでなくガーゼでも同様のことが起こりうるんですが、針の方が見つけるのが大変なので、見つかった時の安堵感はより大きい気がします。

こういった針やガーゼの紛失の頻度はそんなに高くはないんですが、人間なのでどうしても時々起こってしまいます。

そんな時、最悪の事態(患者さんの体内に置き忘れて閉創してしまうこと)を防ぐために、やっぱりひとつひとつ確認が大事ですよね。

今こうやってブログを書いている間も、どこかのオペ室で患者さんの安全のために、一生懸命針やガーゼ数をカウントしている看護師さんがいることを想像し、頑張って!と応援したくなるプー子なのでした。

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