こんにちは!
上の宣誓書、アメリカではAMA(Against Medical Advice)と言うそうです。
医師の勧めに従わず自己判断で家に帰る場合、「私(患者さん自身)はたとえ家に帰った後に何か起きても、病院に対して責任を追及しません」と宣告するもの。
例えばER(救急外来)に薬物やアルコール中毒で意識混濁している患者さんが来た時、検査や治療を行っている間にだんだん目が覚めてきたとします。
アメリカの入院や治療費は日本と比べ物にならないくらい高いですし、体はなんともないので、患者さんは帰りたいと言い出します。
でもこの場合、その後の経過を見るために基本的に医師は入院を勧めます。
日本だったら医師から入院を勧められたら従う人が多いような気がしますが、そこはアメリカ、入院を拒否する(あるいは入院しても早く帰りたがる)患者さんがまあまあいるようです。
まあ、きつければ患者さんも帰ろうとは言わないでしょうし、家に帰りたがる患者さんは元気な人が多いんでしょうね。
そんな患者さんに渡すのがこの宣誓書。
よくできてるなあと思うのが、「病院は責任を持ちません」ではなく、「私(患者さん自身)は責任を追及しません」と患者さんが主語になっているところ。
自己責任をより強調している形ですよね(日本にこんな宣誓書はないと思いますが、あったとしたら病院が主語になる気がします)。
さすが訴訟大国アメリカだなあと、この話を聞いた時になんだか感心しました。
ちなみに夫はこの1年間で4回(!)、患者さんにこの宣誓書にサインしてもらったそうです。
入院したがらない一因に治療費の高さはあるのでしょうが、アメリカ人はやっぱりはっきり“No”を伝える国民ですよね~。
こんな紙切れ1枚からも、日本人とアメリカ人の考え方や価値観の違いが出ていて、面白いなあと思うプー子なのでした。