日本とアメリカの医療比較

コロナ in NY ~医師の視点から~

こんにちは!

数か月前、NYは新型コロナの感染者数が最多の街でした。

マンハッタンの病院で研修医をしている夫いわく、ピークの時は入院患者はほぼ全員が新型コロナの患者で、人工呼吸器やモニターの数は足りていませんでした。

通常ならば研修医は様々な科をローテーションしますが、その時は一般病棟かICU病棟のみに配属されました。

まさに”緊急事態”だったのです。

夫の上司は、「こんな事態は2001年の同時多発テロ(2001年9月11日NYのワールドトレードセンターなどが攻撃された)以来だ」と言っていたとか。

ステイホームできない医療関係者や公共交通機関の職員などのエッセンシャルワーカーにとって、非常にストレスフルな時期だったと思います。

そんな中、政府やNY市民はそのようなエッセンシャルワーカーをサポートしようと尽力しました。

当時レストランは全てクローズとなり、一部の店舗だけがテイクアウトのみ営業していたのですが、ネット上で寄付を募るクラウドファンディングを行い、その資金で医療者に食事を無料提供

夫の病院には、毎日様々なお店から美味しいごはんがデリバリーされたそうです。

また、NYにはシティバイクというレンタル自転車(貸出も返却も無人のセルフサービス)があるのですが、医療者は1年間無料で使えるようになりました

混雑する他の公共交通機関を避けることができるので、夫は毎日このレンタル自転車に乗って通勤しています。

年間パスが179ドル(日本円で約19,000円)なので、かなりお得感がありますよね。

そして一番感動したのが、毎日19時に2分間にわたって、NY市民がエッセンシャルワーカーに感謝を伝えるために拍手を行うイベント

家々の窓から口笛を吹いたり、「Thank you!」と叫んだり。

なんだか胸が熱くなりますよね。

新型コロナによる1日最大死者数がNY州だけで約800人となるなど甚大な被害を受けましたが、新型コロナウイルスはニューヨーカーたちの心までは打ち砕けなかったと思うのです。

世界大恐慌や2001年の同時多発テロなど、これまで何度も経済的・精神的な危機的状況に陥りながら這い上がってきたNY。

その底力を見せつけられた気がします。

夫も「その時のサポートは本当にありがたかったし、勇気づけられた」と言っていました。

もちろん一時期に比べるとかなり状況が改善してきたとはいえ、まだまだ油断はできません。

ですがたとえ再度同じような状況になったとしても、ニューヨーカーたちはまた団結して戦うのだろうなあと思い、頼もしいと感じるプー子なのでした。

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