こんにちは!
今日は日本とアメリカの医師になるまでの流れの違いについてお話します。
日本で医師になろうと思ったら、高校卒業後に医学部に入学する必要があります。
6年間教養と医学的な知識を勉強し、卒業後に医師国家試験に合格できれば晴れて医師免許を取得できます。
でもそれだけだと臨床医(患者さんを診療する医師)にはなれず、臨床医になるためにほとんどの医学部卒業者が研修医になります。
大学病院や市中病院で2年間様々な科を回りながら勉強し、その間に自分の専門科を決める人が多いです。
そして研修医が終わった後、多くの人が専門医を目指して大学病院の各科に入局します(大学病院だけではなく医局がある大きな病院であることも)。
専門医取得が医師にとってひとつのゴールとなるわけです。
各科で専門医取得するまでの平均年数は異なりますが、麻酔科であるプー子は30代前半(研修医が終了して6年後)で専門医を取得しました。
以上が日本での一般的な医師になるまで&なった後の流れになります。
一方、アメリカではどうかというと。
高校卒業後、いきなり日本のように医学部に進学することはできません。
なぜかというと、医師免許を取得するためのメディカルスクールは大学院に相当するからです。
そのためまずはアメリカの4年制大学を卒業する必要があり、その後メディカルスクール(医学大学院)に入学します。
4年間専門的な知識を勉強し、その間に日本の医師国家試験に相当するUSMLE(United States Medical Licensing Examination)を受け、合格できればレジデント(研修医)になれます。
便宜上、レジデント(研修医)と書きましたが、厳密にはレジデントと日本の研修医は異なります。
上述したように日本では研修医の時に各科を回り勉強していきますが、アメリカではメディカルスクールの時にそれを終えています(つまりレジデントは日本の研修医が終わった後の状態)。
レジデントは将来進みたい科のプログラムがある病院で働けるよう就職活動をするのですが、基本的に自分の好きな科に進める日本と違い、アメリカではプログラムにより人数制限があります(各科の医師数を適正に保つため)。
またアメリカでは各科で収入が異なるので、高収入の科である整形外科や脳外科、麻酔科などは非常に人気が高く、そのプログラムにマッチ(合格)するのはとても難しいそうです。
内科はそれほど人気がないので、夫のような外国人にも比較的門戸が広いと言えます(夫がプログラムにマッチした要因のひとつだと思います)。
そして各科によりレジデントのプログラムの年数は異なり、内科は3年間ですが外科は5年間、脳外科はもっと長いそうです。
すでにこの段階で高校卒業後11~13年くらい経っています・・・。
その後も専門医になるため研鑽を積んでいきます。
しかもアメリカは教育費が高いことで有名で、医学生は借金しながらメディカルスクールを卒業するのだとか。
アメリカで医師になるには、日本と比べ物にならないくらい時間と労力(とお金)が必要になってくるんですね😱
最後に日本とアメリカのそれぞれのメリットについて考えてみました。
★日本で医師になるメリット
・国立大学に進めば教育費用が安く済む
・希望の科に進むことができる
・専門医を取得するまでの期間が短い
★アメリカで医師になるメリット
・医師の道に進むことを決断するまでに猶予がある(日本は大学進学前に決断しなければならないが、アメリカでは大学院進学前に決めればよい)
・年収が高い(科で異なるが、だいたい日本の1.5~2倍)
国によって医師になるためのルートは様々ですが、日本はアメリカに比べるとシンプルで分かりやすいですね。
ではまた♪
(※ちなみに夫は日本の医学部を卒業して数年医師として働いた後にレジデントプログラムに応募したので、上記のケースとは異なります。)